第5回 日韓建設技術ワークショップに田口上席研究員が参加



  2010年7月12日(月)〜16日(金)に,第5回 日韓建設技術ワークショップが韓国にて開催されました.
 寒地土木研究所から,耐寒材料チームの田口上席研究員と防災地質チームの阿南上席研究員が出席しました.

 本ワークショップは、日韓双方の最新の研究動向についての情報交換・個別研究事例の討議・研究協力の進め方について協議することで,日韓の研究交流が促進され土木研究所の研究が進展することを期待して,土木研究所が2001年(平成13年)に締結した韓国建設技術研究院(KICT)との研究協力協定に基づき,その一環として実施されてきている研究協力の一つです.
 第5回となる今回は韓国で開催され,全体会議及び各分野の発表は高陽市にあるKICTにおいて行われ,その後,コンクリート構造分野は麗水市,光陽市において建設中の吊り橋(李舜臣大橋),斜張橋(第2世風橋),トンネルの現場視察を行いました.
 
 全体会議においては,趙 KICT院長と瀬尾研究調整監の挨拶に続き,李 KICT対外協力情報処長と鈴木材料地盤グループ長による発表者紹介,李 KICT企画調整処長と脇坂地質監による概要及び研究戦略の説明が行われ,その後,各分野において個別研究事例等の討議や今後の研究協力の進め方について協議がなされました.

 耐寒材料チーム 田口上席研究員が参加したコンクリート構造分野は,日本側のコーディネーターが基礎材料チーム 渡辺上席研究員,韓国側が KICT基盤施設研究本部 構造橋梁研究室 高研究委員であり,「コンクリート構造物の長寿命化及び維持管理技術」をメインテーマに2本の大テーマと3本の小テーマの発表・討議が行われました.

 渡辺上席研究員は,大テーマの「日本のコンクリート構造物分野の研究動向及び取組み」と小テーマの「高耐久性コンクリートの10年暴露試験結果について」と題して発表し,その後,ひび割れ低減材料を用いたコンクリートの耐久性等に関する質疑応答や討議が行われました.
 田口上席研究員は,「寒冷地のコンクリートの耐久性について−超音波による凍害、塩害との複合劣化−」と題して,表面走査法による簡易な凍害劣化深さと劣化程度の推定方法を発表し,その後,超音波測定により変曲点がでない場合の判断方法やクラックがある場合の対応などの質疑応答や討議を行いました.

 韓国側は,日本側から示したプレゼンテーションに対して特に「ひび割れ低減材料を用いたコンクリートの耐久性」や「寒冷地における耐久性確保のための技術」について興味を持ったようです.

 
                 
              コンクリート分野打合せ状況            李舜臣大橋          第2世風大橋