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寒地土木研究所
耐寒材料チームは,科学技術振興調整費の補助を受け,国際共同研究「コンクリート構造物のLCM国際標準の確立」(研究代表者:上田多門教授)をパートナーとして実施しています(研究の内容・目的は【解説】参照).このたび,標記の国際共同研究の調査及び打ち合わせが2009年12月7〜8日に韓国で行われ,日本からは北海道大学大学院工学研究科の上田多門教授・杉山隆文教授・佐藤靖彦准教授,寒地土木研究所耐寒材料チームの田口上席研究員・林田主任研究員・遠藤研究員の計6名が参加しました.
12月7日は,共同研究メンバーの延世大学のAnn博士のご尽力と,Korea Expressway
Corporationのご協力のもと,ソウルから北東へ約150kmの位置にある束沙(ソクサ)において中央分離帯コンクリートとコンクリート床版等の調査を行いました.現地では,ASTM C
672の室内試験に準じた外観による劣化度調査と,耐寒材料チームで別途研究中の通常の日常管理の範囲で凍害の深さと程度を簡便かつ迅速に評価できる「表面走査法を応用した凍害の非破壊診断技術」を用いた調査を行いました(写真-1).幸い天候にも恵まれ,十分なデータを得ることができ,大変有意義な調査となりました(写真-2).
写真-3 |
【解説】国際共同研究「コンクリート構造物のLCM国際標準の確立」の内容と目的 LCMはライフサイクルマネジメントの略で,構造物の維持管理に要する費用の平準化をはかり,環境や社会への影響を最小化することを言います. この研究は,社会基盤施設の延命をはかるため,アジア、アフリカ諸国の建設材料の品質と環境条件の地域性を考慮したコンクリート構造物の寿命予測技術と劣化対策技術を提示し,日本の主導でコンクリート構造物の新たなLCMの国際標準をアジア,アフリカと協働で作成することを目的としており,現在,日本,中国,韓国,タイ,エジプトとの共同により調査・研究が進められています. 耐寒材料チームは,達成目標の一つである「複合劣化機構と性能予測」に関する研究を分担しています. |