|
「表面含浸工法の設計施工法について」 |
| |
|
|
|
Q3 |
|
ケイ酸系含浸剤の既設構造物への塗布について、動弾性係数の変化は無塗布と変わらないとのことですが、塗布した場合の動弾性係数の改善はどのように確認したのでしょうか?いくつかのサンプルがいずれも同様の傾向を示したのでしょうか? |
|
|
|
A3 |
|
相対動弾性係数が85%程度になるように作製した供試体について、アムスラー型の圧縮試験機で繰返し載荷を与えて微細ひび割れを発生させた後、ケイ酸塩系の表面含浸材を塗布して動弾性係数の変化を追跡する方法により確認しました。
結果についての詳細は、下記のアドレスをご参照下さい。
なお、弾性係数が著しく低下したコンクリートは、評価の対象としておりません。
http://thesis.ceri.go.jp/center/doc/geppou/zairyo/00160470201.pdf |
|
|
|
Q4 |
|
表面含浸材(シラン系)の塩害抑制効果として、吸水防止層の形式や内部含水率の上昇抑制効果について教えてください。 |
|
|
|
A4 |
|
製品にもよりますが、吸水防止層における塩化物イオンの拡散係数は、非含浸域に比べると小さく、鉄筋位置における塩化物イオン濃度が発錆限界量に達するまでの期間が長くなるため、部材の寿命延伸および維持管理費の縮減効果が期待されます。また、シランによって水分の供給が抑制されるため、内部の含水率は無塗布に比べると小さくなります。含水率の低下は侵食速度の抑制に寄与しますので、同様の効果が見込まれます。 |
|
|
|
Q5 |
|
既設構造物への表面含浸材の適用について、北海道開発局道路設計要領ではスケーリングや内部劣化の影響があるため対象となっておりませんが、今後、こうした影響がある場合を想定して、改訂の予定はありますか? |
|
|
|
A5 |
|
要領の表-1(引用先:土木学会325委員会報告書)にあるように、期待する要求性能の種類にもよりますが、既設部材の状態によっては効果が期待される場合もあります。要領3.1では、寒地土研で行った凍結融解試験の結果を尊重して新設、打換え部材を標準と記載していますが、あくまでも「標準」であり、前述の理由により既設への採用を妨げるものではありません。このため要領2に示した基本事項が重要となります。既設構造物への適用事例としては、要領5.3に示した主桁があります。現在、施工を行った一部の道路橋の主桁において侵食速度の追跡調査を行っており、データが蓄積・整理され次第、内容の改訂(充実化)を図る予定です。 |
|
|
|
Q6 |
|
新設構造物では強度や空気量などを確認することにより、表面含浸材を使わなくても耐凍害性の確保はできるのではないでしょうか?また塩害では、かぶり確保やエポキシ鉄筋の利用などの対策があるのではないでしょうか? |
|
|
|
A6 |
|
コンクリートの劣化抑制技術は表面含浸材以外にも数多く存在し、各々の技術には長所・短所があります。シラン系表面含浸材の長所としては、施工が簡便かつ安価で短期間に施工ができることやコンクリートの外観を大きく変えないため、施工後も目視による日常点検が可能である等があげられます。構造物の耐久性向上の必要性が高まる今後は、技術の特徴を理解し、部材の要求性能や現場の環境条件等を考慮しながら多くの対策工を合理的に使い分け、合理的に使いこなすことが重要となります。また、いずれの技術においても構造物の劣化予測を適切に行い、LCCの縮減効果を具体的に評価し、把握することが大切です。このため劣化予測技術の精度向上が、今後の取り組むべき重要な課題と言えます。 |
|
|