鋼構想物の維持管理に関する研究
 
研究の概要 
   本研究では、鋼構造物における維持管理の効率化及びライフサイクルコストの低減を図るため、塗装の適切な塗替サイクルの明確化や、耐候性鋼材の景観面での有効活用を図るため、景観を定量的に評価できる手法を開発します。
  
 
   
 全体成果と研究 
 
 
  
 
 
 
 研究内容の紹介 
 
  
1.鋼橋塗装の塗り替えサイクルに関する研究
  橋の塗装は、橋に使われている鋼材が錆びるのを防ぐために塗られています。その塗装は太陽の紫外線などによって劣化しますが、その寿命は塗料の種類、環境条件、さらに同一構造物でも内側や外側といった箇所などの条件によって異なります。
  また、塗り替えを行った塗装では、素地調整と呼ばれる下地の鋼材の手入れ具合によってもその寿命は異なってきます。
 

 そこで、環境条件や部位ごとでの適切な塗料の種類の選定や塗り替えサイクルなどについて研究しています。

  
  
2.耐候性鋼材の有効利用法に関する研究
  一般に、鋼材は錆びると厚みが減少し、腐食が進行し続けるため、橋梁などでは耐荷力が減少することとなります。
  ところが、耐候性鋼材は、表面に緻密な錆(安定錆)を生成し、それ以上内部に錆が進行しにくい非常に安定した状態となることや、建設時や供用後の塗装の必要がないため、経済的に有利な材料として注目を集めています。
  しかし、安定錆が一様に生成されるまでには数年から十数年の年月を必要とし、その間さび汁やさびムラができて汚いとの理由から、都市部では使いづらいという問題があります。
 (安定錆を早期に生成させることのできる安定化処理剤を併用している場合もありますがコストは増加します。)
  そこで、都市部においても耐候性鋼材をそのまま使用できないかということについて研究しています。
 
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