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コンクリート構造物を補修・補強するための技術開発
− ビニロン短繊維を混入した吹付けコンクリート(モルタル)と
アラミド繊維メッシュを用いた補修・補強工法 −
 
  既設コンクリート構造物の経年劣化等に伴い、コンクリート片が剥落した事例等が発生しています。また今後、長期間にわたって利用されてきたコンクリート構造物が急増するため、コンクリートの劣化がますます進んでいくと考えられます。
 
 そこで、本研究では、施工性および耐久性に優れ、かつ施工費が安価な補修・補強工法として、ビニロン短繊維を混入した吹付けコンクリートやモルタルとアラミド繊維(AFRP)メッシュを用いた補修・補強工法を提案し、その実用化に向けた開発を行っています。
 
 これまでの研究では、本工法がコンクリート片の剥落抑制やRC部材の曲げおよびせん断補強に対して有効であることを確認しております
 
■本工法の特長
 1) 耐久性
 短繊維を混入した吹付けモルタルおよびコンクリートは、北海道のような積雪寒冷地においても十分な耐凍害性等の耐久性を持ったものを開発しています。また、塩分を通しにくく、補強材として鋼材を一切使用しないため塩害に対しても強い耐久性があります。
  
 2)  経済性
特殊なセメントを用いないため、従来の種々の補修・補強工法に比較して施工コストが安価です。
  
 3) 施工性
ビニロン短繊維は、従来の鋼繊維よりも柔軟な材質であるため、施工時の安全性に優れています。 
 また、補強材として用いているAFRPメッシュは、しなやかな特性を有しているため複雑な形状にも追従可能であり、施工が容易です。
 
施工方法
  【1】 コンクリート表面の処理
 既設コンクリート構造物表面の脆弱部の除去および吹付け材の付着性の向上を目的として、吹付け施工面を処理します。
 
 【2】 アラミド繊維メッシュの配置
 AFRPメッシュをモルタル製スペーサを介して配置し、ステンレス製のコンクリートアンカーを用いて固定します。
 
 【3】 短繊維混入モルタル・コンクリートの吹付け
    短繊維混入モルタルもしくはコンクリートを吹付けて、表面をコテ仕上げし養生します。
 
コンクリート構造物

 
ビニロン短繊維を混入した吹付けモルタルとアラミド繊維メッシュを用いた補修工法の例
 ■ 吹付けモルタルの場合の材料
ビニロン短繊維の外観
(長さ 6 mm 直径 0.1 mm)
アラミド繊維メッシュの外観
(保証耐力 100 kN/m 格子間隔 30 mm)
    
  ■ コンクリート片の剥落を模擬した押し抜き試験の一例
試 験 結 果
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モルタル吹付けのみの場合
提案のモルタル補修工法の場合
モルタル吹付けのみの場合提案のモルタル補修工法の場合
(等倍速)
(20倍速)
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試験体概要
  
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